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  • 執筆者の写真’96企画 合同会社

演劇と教育

代表の萩原です。私は高校の演劇部の顧問を15年ほどしております。そのなかで特に今年は非常に印象深い年になりそうです。


高校の演劇は毎年9月から10月にかけて翌年の全国大会につながる大会が行われます。

地区大会を経て県大会、近畿大会そして全国へ行くわけです。(9月30日(土)午後3時からEテレで放送 是非ご覧ください。)

私が顧問をしている演劇部はまだ県大会までしか進んだことはありませんが、せっかく練習したのだからもっと上位の大会でいろんな人に見てもらいたいといつも思っています。


ところで、今年の演劇部は2年生主体の部員構成です。今まで毎年入部するのは1,2名で多くても総勢5,6人での体制でしたが、今年は2年生の頑張りで10名を超える部員になりました。こんな人数での活動は初めてでしたし、大会の脚本は久しぶりに生徒が書きます。いつもは既成の脚本の上演でしたが、昨年は顧問創作、今年は生徒創作ということで2年連続オリジナルの脚本は初めてです。今年から私が顧問としてかかわるのは週1回程度になったのも初めてです。そんな初めて尽くしの活動でどうなるかととても心配でした。さらに脚本が完成したのは上演3週間前。しかも即興を入れるというハラハラドキドキの状態で臨むことになりました。ところが直前の指導の時にはまだ決まっていないことも多く、グダグダ!上演3日前に皆にこれではダメだと伝えました。残り時間はあとわずか。

生徒達も考えたのでしょう、翌日のリハーサルには集合予定時刻の1時間前に集合して、生徒達だけで打合せ、終わってからもホールに残り出はけの確認をしていました。他校の先生からはほんとにいい雰囲気ですねと言われたのがとても誇らしかったです。本番前、私としては生徒たちにいうことはただ一つ。「思いっきり楽しんでおいで!ミスなんか気にしない。ほかの誰かがきっと助けてくれる。セリフを思い出すより相手のセリフをよーく聴こう!」これだけです。


残念ながら県大会には進むことができなかったのですが、終わった後の生徒たちのあの自信に満ちた顔!もう忘れられません。晴れやかで、やり切ったといういい表情をしていました。

後日みんなで反省会をしました。みんなひとりずつ感じたことを言ってもらいました。

1年生は、ほんとに自分ができるのか不安で心配していたが、やってみるとできたことがとてもうれしかった、という感想が多かったです。

また部員には教室に入れない生徒もいました。それも2年間。でも演劇とかかわるようになって9月から教室に入れるようになったということです。さらに3年生の部員の一人の大学受験の発表が上演当日で合格した報告が…みんなでおめでとうを言いました。主顧問が週に1回しか見ることができないこともあったのかもしれませんが、2年生主体で、しかも自分たちで考え、自分たちのお芝居をやり切ったそんな大会になりました。

もちろんいいお芝居をつくるのは当たり前ですが、結果として演劇というものを通して仲間とのつながりや自立や成長を見ることができた大会になりました。確実に生きる力のレベルを上げることができる演劇の力はすごいと感じるとともに生徒たちが自分の居場所を一つ増やすことができたなと感じる大会でした。

保護者の方のサポートも非常に大きく、温かく見守ってくださった観客も含めて関わっていただいた人達すべてに感謝いたします。ありがとうございました。


演劇については橿原アクターズクラブもご覧ください。


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